【駐在妻体験談:第2話】配偶者ビザで挑んだ初めての就活、まさかの「コストコトーク」で内定をつかむまで

前回の第1話では、渡米直後の専業主婦期間、そして8月にようやくSSNを取得するまでをお伝えしました。

今回の第2話は、そこから本格的にスタートした就職活動の記録です。配偶者ビザでの就労条件の確認から、レジュメ戦略、そして忘れられない面接エピソードまで、現地採用(正社員)としての内定をつかむまでの道のりをご紹介します。

目次

就活前に確認すべき2つのこと

8月、ようやくSSNを取得し、本格的な就職活動がスタートしました。

ただ、動き出す前に確認しておくべきことが2つありました。

夫の会社が配偶者の就労を許可しているか

私が持っているのは、駐在員の配偶者ビザ(L2S)。これがあればアメリカで合法的に働くことができます。ただ、「ビザ上は働けても、会社の規定で配偶者の就労を禁止している」「収入に上限が設けられている」というケースもあると、元同僚から聞いて初めて知りました。

幸い夫の会社には制限がありませんでした。ただ、配偶者が「働きたい」と言い出すこと自体がかなり珍しいケースだったらしく、人事からは「税金が高くなるので、正直あまりお勧めしません」とアドバイスをもらいました。それでも、私の目的はお金より経験。採用してくれる会社があるなら働こう、と決めていました。

SSN(ソーシャルセキュリティナンバー)の取得

こちらは第1話でも触れた通り、申請から取得まで実に4ヶ月かかりました。当初「駐在は3年」と言われていたので、就活スタートが秋にずれ込んだことに、当時はかなり焦りました。

これから帯同される方には、配偶者ビザがあっても、①会社の就労規定、②SSN取得にかかる期間、この2つを早めに確認しておくことをお勧めしたいです。

アメリカで何ができる? 自分を棚卸しするところから

2つの条件がクリアになり、いよいよ就活スタートです。

日本では長年、自動車部品の設計開発に携わっていたので、最初は同じようなポジションを探しました。ただ、多くの求人で「US市民権保有者のみ」という条件があり断念。方向転換し、若い頃に少し経験していた営業・事務系の仕事を探すことにしました。

日本でもおなじみのPASONA(パソナ)がアメリカにもあることを知り、早速相談。希望職種に絞ってポジションを探してもらうことになりました。

英文レジュメを作る際、設計開発の経歴は営業職に関係ないと思い、あまり詳しく書かなかったのですが、パソナからのアドバイスは意外なものでした。

「関係なさそうに見えても、その部分をもっと詳しく書いた方がレジュメの通過率が上がります」

言われた通りに書き直して再提出したところ、3社が興味を持ってくれました。一見関係のない経歴も、書き方次第で評価につながる——これは、今振り返っても大きな学びでした。

3社との選考、そして伝説の「コストコトーク」

A社は家から一番近く、大きなオフィスが魅力的でしたが、途中で採用活動自体が中止になり、面接にも進めず終わりました。

B社(自宅から車で約10分)とC社は、同時進行で選考が進みました。

B社の一次面接はTeamsでのオンライン面接。日本人2人・アメリカ人1人という構成で、すべて英語でした。初めての英語面接に心臓はバクバクでしたが、質問は「これまでの経験は?」「インサイドセールスの仕事で問題ないか?」など、特にトリッキーなものはなく、和やかな雰囲気で進みました。

そして”例の事件”が起きたのは、通勤手段を聞かれた時です。

「御社の近くのコストコにいつも買い物に行っているので、通勤は全然問題ないですよー!」

そう元気よく答えた瞬間、全員が大爆笑。そのままコストコのピザやホットドッグの話題で数分盛り上がりました。一緒になって盛り上がったものの、内心では「あーこりゃダメかも」とかなり焦りました。それでも、なんとか一次面接は突破。

C社(自宅から高速で約20分)は日本語8割・英語2割の面接で、雰囲気はとても良かったのですが、「通訳・翻訳経験がない」という点が引っかかり、結果は1週間保留になりました。

まさかの展開、社長と営業マネージャーの見た目が逆だった件

B社の一次面接を突破し、1週間後にオフィスでの面接に行きました。そこで、私は大きな思い違いをしていたことに気づきました。

一番おとなしそうで真面目そうな日本人男性が社長で、一番偉そうな態度だったアメリカ人が営業マネージャー——面接が始まってから判明し、動揺を隠すのに必死でした。

面接はすべて英語で進み、途中から営業・技術メンバー全員が会議室に入ってきて、なぜか雑談タイムに。その後オフィスツアーがあり、アメリカ映画で見るような個室仕切りのオフィスに、思わずテンションが上がりました。

満場一致の内定、そして「気づけば正社員」だった理由

後日、パソナから連絡がありました。

「満場一致で採用が決まりました」

満場一致って、多数決でもしたのかしら?と思いながらも、もう嬉しくて。ジョブオファーレターを受け取り、1週間後から業務スタートとなりました。

正直なところ、私自身は正社員にこだわりがあったわけではありません。ただ当時、アメリカに「派遣社員」という働き方のシステムがあることをまだ知らず、フルタイムの仕事を希望していたら、気がつけば正社員になっていた——というのが実情です。(この「派遣という選択肢」については、第3話で改めて触れることになります。)

第2話のまとめ:駐在妻の就活、やってみてわかったこと

  • 配偶者ビザで働けても、夫の会社の就労規定は必ず確認すること
  • SSN取得には予想以上に時間がかかる場合がある(私は4ヶ月(なぜか旦那は2週間(苦笑))
  • 希望職種と関係なさそうな職歴も、レジュメにはしっかり書く
  • 日系エージェント(パソナなど)は心強い味方
  • 英語面接は、多少脱線しても明るく乗り切るのが吉

エージェントの具体的な探し方や、その他のおすすめサイトについては、以下の記事もあわせてご覧いただくと、より実践的な情報がつかめると思います。

こうして手に入れた現地採用(正社員)の仕事でしたが、実はこの後、駐在期間の延長という思いがけない展開が待っていました。第3話では、再び専業主婦に戻った経緯と、そこから派遣社員として再起するまでをお伝えします。

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