近所のスーパーへの買い出しも慣れてきて、「そろそろ隣の街まで遠出してみたい」「ハイウェイ(高速道路)に挑戦してみたい!」と思っていませんか?
アメリカのハイウェイは基本的に無料で、道も広いため、慣れてしまえば日本よりも圧倒的に快適なドライブが楽しめます。しかし、キロからマイルへの感覚の切り替えや、州をまたぐロードトリップならではの「特有のルール・壁」も存在します。
今回は、アメリカ生活4年の中で数々のロードトリップに夫と共に楽しんだ私が、「少し運転に慣れてきたら挑戦したい、ハイウェイの掟と遠出のコツ」を、実際の体験談を交えてご紹介します!
① マイル(mph)表示の罠と「時速120km」のリアル

アメリカの道路標識や車の速度計は、キロ(km)ではなく「マイル(mph)」表記です。これが最初の頃、感覚を狂わせる最大の罠になります。
- 街中(住宅街など):30〜35マイル(約48〜56km)
- 一般道:45〜55マイル(約72〜88km)
- 高速道路(ハイウェイ):60〜75マイル(約96〜120km)

50マイルと聞くと数字が小さいため「そんなに出ていない」と錯覚しがちですが、50マイルは時速約80kmです!
運転し始めの頃は、一般道の45〜50マイルすら「ものすごく速い!」と恐怖を感じていましたが、人間とは不思議なもので、慣れると逆に遅く感じるようになります。
高速道路の70マイル(約112km)も最初は冷や汗ものでしたが、気がついたら慣れて75マイル以上出てしまうことも……。慣れた頃のスピード出しすぎにはくれぐれも注意してください。
また、制限速度は州をまたぐとガラリと変わることがあります。 例えば、私の住んでいたミシガン州からお隣のオハイオ州に入った瞬間、制限速度が70マイルから65マイルに下がり、一気に全体の速度感が遅くなって「あぁ、州が変わったんだな」としみじみ実感したものです。
中には、あたり一面が荒野でどこまでも直線が続く州(テキサスなど)のように、制限速度が驚異の「85マイル(約136km)」という区間もあり、そこは遠慮なく爽快に走らせていただきました! 怖がりすぎて遅すぎるのも逆に危険ですので、周りの流れ(Flow of traffic)に合わせて走ることを意識しましょう。
② 夫婦のロードトリップで大活躍!カープール(Carpool)レーン


高速道路を走っていると、一番左側の車線に「ひし形(◇)」のマークが描かれているのを目にすることがあります。
渋滞緩和を目的に設置されており、「1台の車に2人(または3人)以上乗っている車専用」のレーンです(何人以上かは標識に「HOV 2+」などと書かれています)。1人で運転している時にここを走ると、高額な罰金を取られます。ちなみに、ペットは人数にカウントされません(笑)。



私たち夫婦はいつも2人で旅行をしていたので、渋滞が激しい時間帯はこのレーンを使ってスイスイ進むことができ、本当に重宝しました!ただし、朝夕の通勤時間帯だけなど「時間制限」がある場合も多いので、標識の文字はしっかり確認してくださいね。
また、似たようなシステムで「Express Lane(エクスプレス・レーン)」という有料レーンが設けられていることもあります。一般レーンとの間に仕切りがあり、専用の入り口からしか入れないことが多いです。
プライベートでは大人しく渋滞に並んでいた私ですが、一度ジョージア州へ出張に行った際、大渋滞に巻き込まれ「お客様との約束の時間に間に合わないかも…!」と大ピンチになったことがありました。その時、目の前に現れたExpress Laneに思い切って突入!一般レーンがノロノロ運転の中、こちらは渋滞知らずで爆走でき、無事に約束の時間に間に合いました。
有料レーンも、ここぞという緊急時には本当に頼りになる存在です。
③ ハイウェイのダイナミックな合流と車線変更


アメリカの高速道路(インターステートなど)は、一部の「TOLLロード(有料道路)」を除いて基本的には無料です。



…が、ここで注意したいのが、アメリカでは「十分に速度を上げないまま、のんびり合流してくる車」が結構たくさんいます。
さらに、「ウインカーを出さずに進路変更する行為」はアメリカのデフォルトなのでは?と疑いたくなるほど日常茶飯事です(実は、私の当時のアメリカ人ボスもまあまあの頻度でウインカーを出さない人でした笑)。車間距離は日本以上にしっかりとっておくのがサバイバルのコツです。
また、アメリカのハイウェイは片側6車線などが普通にあります。複数車線ある道路では、日本のように「右側から抜く、左側から追い越す」という綺麗なルールはあまり機能していません。
「どっち側からも追い越されるし、割り込まれる」と思って運転してください。最初はあまりの広さに驚きますが、慣れると「どこを走ってもいいんだ」と逆に気が楽になりますよ。
ただし、目的の出口が近くなったら早めに右車線に寄っておかないと、交通量が多すぎて出口をスルーせざるを得ないハメになるのでお気をつけください!
④ ガソリンスタンドと「ジップコード(郵便番号)の壁」


州をまたぐ遠出で避けて通れないのがガソリンスタンド(基本すべてセルフ方式)です。アメリカは州ごとに税率が違うため、州が変わるとガソリンの価格も微妙に変動するのが面白いポイントです。



もし画面に「Enter ZIP Code」と出てカードが使えなくても、焦る必要は全くありません! クレジットカードを持って、店内のレジ(キャッシャー)に直接行きましょう。
店員さんに「Pump number XX, please.(XX番のポンプで給油します)」と伝え、先に30ドルや50ドルなど、多めの金額を決済してもらえば給油できるようになります。
「もし指定した金額よりガソリンが入らなかったら損するの?」と不安になりますが、例えば100ドル分先払いして実際は70ドルしか入らなかった場合、差額の30ドルは自動的にクレジットカードに返金(Refund)されますので、どうぞご安心ください。
⑤ 緊急車両を見かけた時の対応-Move Over Law(路肩停止車両へのアプローチの法律)


アメリカで救急車やパトカーなどの緊急車両に遭遇した際、路肩に寄せてやり過ごすのは日本と同じですが、もう一つアメリカ特有の「Move Over Law(路肩停止車両へのアプローチの法律)」を知っておく必要があります。



もし路肩に警察車両が見えたら、可能であれば速やかに1車線左側に変更して走ります。
混雑していてどうしても車線変更できない場合は、速度を十分に落として安全を確保しながら通過するのが義務づけられています。
ハイウェイを走っていると、前方の車たちが一斉に車線変更し始めるので、周りの動きに合わせて同じように車線を変えれば問題ありません。
⑥ 遭遇確率は日本の比じゃない!「動物注意」のリアル


日本の山道でも「シカ注意」や「クマ注意」の標識は見かけますが、実際に遭遇することは稀ですよね。しかし、アメリカの野生動物の出現率は日本の比ではありません。



私は以前、自宅の近くをドライブ中に、道路の真ん中で野生のシカさんと1対1で思いっきり睨めっこするハメになりました(笑)。
また、毎日の通勤途中には、カモさんファミリーがトコトコと道路を横断するのを、車を止めて優しく待たなければならないことが頻繁にありました(上記の写真は、実際の通勤途中の写真です。横断し終わるまで待ちました。これは可愛いので全然許せます!)。
さらに、ケンタッキー州では野生のターキー(七面鳥)を轢きそうになり、冷や汗をかいたことも。
特に注意したいのが国立公園の近くです。ムース(ヘラジカ)やバイソンなどの超大型動物が道路脇に現れると、それを写真に収めようとした観光客の車が道路上で急にハザードを焚いて止まったり、急ブレーキを踏んだりする「アニマル・ジャム(渋滞)」が発生します。
動物そのものの飛び出しはもちろんですが、「野生動物を見てパニックになった周囲の車の動き」にも十分注意して運転してください。
まとめ
アメリカのハイウェイや遠出のドライブは、最初はスピード感やウインカーを出さない周囲の車に驚くかもしれませんが、ルールとコツさえ掴めば、日本では味わえない最高のロードトリップを楽しむことができます。
「ジップコードで弾かれたらレジへ行く」「路肩のパトカーを見たら車線を開ける」といった、現地ならではのサバイバル術をぜひ頭の片隅に置いて、少しずつ行動範囲を広げてみてくださいね。
次回は、いよいよ全50州走破の裏側で遭遇した、衝撃の珍ルールやハプニングをお届けする「【上級・アメリカの洗礼&珍ルール編】」です。フロリダでまさかの駐車違反を取られた話や、メキシコ国境近くの謎の検問など、ディープなアメリカの裏側をご紹介します。お楽しみに!




